| ■イソザキ時計宝石店■ |
| 時計の小話 |
第81話(スイス時計ブライトリングについて) ブライトリング社は、1884年スイスジュウ渓谷・サンティミェにてレオン・ブライトリング氏が創業しました。現在の年間生産本数は10万個以上にのぼり、その全製品がクロノメーター(メカ式・クォーツとも)という快挙を2000年に成し遂げました。 ブライトリング腕時計は、どの機種を買ってもCOSC公認のクロノメーター精度(日差−4秒〜+6秒が合格)が保証されていることになります (機械式といえども当たり外れのない腕時計と言えます)。内外価格差が殆どない良心的価格設定で、ユーザーに支持されております。個人的にはクロノマット系(ムーブは25石28800振動)のケバイ、デザインが好きではありませんが、最近のナビタイマー系の落ち着いたデザインはとても好きです。 こんな事を言ったら熱烈なブライトリングファンから叱られてしまうかな。1915年に世界最初に腕時計型クロノグラフ「30分タイマー」を開発して以来、航空パイロットには圧倒的な人気があります。空・計器の時計クロノとして、タグ・ホイヤーと二分する名門です。クロノグラフに特化したブライトリング社も例に漏れずクォーツクラシュで大打撃を受け、存亡の危機にさらされましたが、1983年メカ式クロノの新作クロノマットによって見事に息を吹き返しました。これは現会長アーネスト・シュナイダー氏の経営手腕によるものでしょうか。今日では増産体制を整えるためにも複雑時計の専門エボーシュメイカー・ケレック社(1896年創業ムーンフェイズ・ミニッツリピーター・パワーリザーブ等のコンプリケーションを専門に生産、日本輸入総代理店はシチズン商事(株)で、ケレックブランドの腕時計を発売しております)を翼下に取り入れました。世界中からの注文を賄うために、スイス・グレンヘンに近代的システムを備える新工場も建設しました。クロノの構造はマスプロ向きのカム式を採用しておりますが、矢継ぎ早にいろんな新機構を開発しています。特に60分積算計を2個搭載したツインシックスティは素晴らしいものです(6時のインダイアルで、経過時間が何時間何十分と読みとれるし3時のインダイアルでは通常の60分計を併用)。他には1996年開発のスパシオグラフ、1995年のナビタイマーモンブリラン、エマージェンシー等が有名です。いろんな意味で目の離せないメーカーの一つです。主な製品にはナビタイマー00(18KWG110万円)、500m防水を誇るヘッドウインド32万円、チタンケースのクロノ・アドベンチャー29万円、 フライバック機能のナビタイマーヘリテージ42万円、1999年に結成された同社のプライベート・エアロパティックス・チームのオフィシャルのナビタイマーファイターズ 41万円、GMT機能搭載のクロノマットロンジチュート35万円等があります。どのブライトリングも存在感のある大ぶりのケースの収められた腕時計で、非常に際立って押し出しの強い目立つ品です。他人との差別化をはかりたい人にはうってつけの腕時計と言えそうです。 第82話(スイス時計タグ・ホイヤーについて) 創業は1860年スイス・サンティミエにて精密計時機器メーカーとして興しました。 現在の生産個数は70万個ぐらいでしょうか。世界中にROLEXと同じように熱烈なファンを持っております。1920年アントワープ・オリンピック、F1グランプリ・カーレースの計時担当として有名です。事故死した著名なF1ドライバー、アルトン・セナはタグ・ホイヤーのダイバーズモデルを愛用していたことで有名です。ヨットレースのニッポンカップもバックアップしており、宣伝活動も活発です。百分の一ストップウォツチやスポーツウォツチに秀でる物が沢山ありました。1985年にホイヤー社がTAGグループに参入して商業的に大きく育ちました。個性的なデザインで人気を博したS/elクロノグラフは若者達の腕によく似合いました。このシリーズをお持ちの方は読者の方にも沢山おられるものと思います。最近では機械式に力を入れETA社のムーブメントを搭載したモデルを出しております。1996年に出した復刻版のホイヤー・カレラはシンプルなデザインで私はとても好きです(K18側25万円)。クロノグラフのデザインの原型ではないでしょうか。1969年に発売された世界初の角形防水クロノ・ホイヤーモナコは、スティーブ・マックイーンも映画「栄光のル・マン」で愛用しておりました。その為にモータースポーツファンには憧れの時計になったものでした。この時のムーブ・クロノマチック(ブライトリング、ハミルトンの3社共同製作)は、エルプリメロよりも半年ほど早く世に出てセンセーショーナルを起こしました。1998年に鮮烈に復刻したホイヤーモナコは、角形クロノとしてはNo1のデザインであるとの評判を勝ち得ております(28万円)。クロノグラフと言えばROLEXデイトナ、ゼニス・エルプロメロ、GPクロノ、タグ・ホイヤー、オメガ・スピードマスターが五指に入るでしょうか。ここ数年の傾向として、若い世代を中心にクロノグラフ時代と言っても差し支えないほど人気を独占しております。ゼニスがタグ・ホイヤーと同じLVMHグループに入ったために、エルプリメロを搭載した タグ・ホイヤークロノが世に出てくるのは時間の問題と巷でウワサされております。そうなったら人気・実力ともNo1の世界最強のクロノの出現があるものと思います。その時、ROLEXデイトナとの一騎打ちが大変楽しみでもあります。 第83話(ベトナムからの修理依頼について) ベトナム在駐のNさん(ベトナムにアンティーク・ウォッチ・ショッピング・ツアーに行くとき案内をしていただける人です)から、腕時計の修理依頼が今月初めに4個届きました。4個ともベトナムのアンティーク・ショップで購入された物です。 1、オメガ、シーマスター ムーブCal562 ?の名機 24石 若干錆有り K18金側ケース 600$で購入されました。一見してとても安い買い物と思いました。日本ではこんな価格では毛頭買えません。日本のアンティーク・ショップの皆さんもっと価格に関して研究の余地がありますね。外観はとても奇麗だったのですが分解してみますと、文字板足折れ、ヒゲゼンマイ縦横ブレ、不必要な油が多量に挿されていました。一応、観光客に売る手前、あちらの腕の悪い時計職人がOHをしているみたいなのです。購入後2日間しか動かなかったようです。でもさすが昔のオメガです。分解掃除及び調速機の調整のみで精度が見事に蘇りました。まだまだ使える代物です。 2、ロレックス、プレシジョン 手巻き、ムーブCal1215 17石 若干錆有り たぶんK9金側 1950〜1960年代の物です。1100$で購入されました。ケース・文字板の汚れキズ等があり、1のオメガと比較して少し割高と思いましたが、分解してみて値段が高いのがよく理解できました。ムーブの状態が素晴らしく、OHの結果、テンプが新品のような振り角充分の動きが回復しております。アンティークのROLEXの修理をするたびに再認識するのですが、やっぱり天下のROLEXだなあーと思わざるを得ません。どこをとっても素晴らしく、4〜50年程前のものにもかかわらず精度がいともたやすく出ました。アンティークROLEXが市場で一番人気があるのも頷けます。 ベトナム人の目利きもたいしたものです。 3、WEST END WATCH CO 自動巻き、デイデイト付き ムーブCalETA2878 17石 ローター等若干錆有り SS側30年間で初めて聞く珍しい名前のスイス時計メーカーです。いくらで購入されたかは解りませんが、なかなか面白いデザインの腕時計でした。調子が落ちており巻真も曲がり、リュウズを引っ張ると抜けてしまう故障でした。OH・オシドリ直しでほぼ元通りに復元出来ました。精度もそこそこ合うようです。 4、WEST END WATCH CO 手巻き ムーブCal1? 7石 若干錆有り SS・真鍮クロームメッキ側一見して面白そうなアンティーク・ウォッチ調でしたが、機械はこれは最悪でした。テンプに耐震装置が無いために、何度も天真入れ替えをやったために天輪の穴が楕円形になり、滅茶苦茶に壊れていた超難物です。天輪の縦ブレ・横ブレひどく、 今はいっている天真も寸法がおかしく、天真別作も手探りになる予定です。これは、お預かり期間特定出来ませんし1ヶ月以上かかるみたいです。元々余りイイ機械ではありませんので、かなりの時間をかけても直らない可能性があります。 1,2,3,は既に修理完了しましたが4番だけはまだ何とも言えません。1,2,3,はHPに掲載致しましたのでご覧下さい。これを見てベトナムに行きたい方はご連絡下さい。Nさんと一緒に値打ちのアンティーク時計を求めてベトナムの街を歩き回るのも楽しいに違い有りません。なんたってパイロット役の先輩Nさんがおられるから安心です。4月9日にベトナムのNさんからメールがあり、懐中時計の簡易式ミニッツリピーター 無名ブランド(500$)を買ったという知らせがありました。 トライアングルの音に近いような感じで、15分単位で一回鳴り、時の音と分の音の2種類だそうです。ものすごくNさんはその懐中時計の簡易式ミニッツリピーターをいじるのが楽しいらしいです。それにしても日本円で60000円前後でミニッツリピーターが購入できるなんて、驚異の価格です。一度そのムーブメントを見てみたいものです。いかに日本のアンティーク・ウォッチ価格が高いか読者の皆さん解って頂けたでしょうか? 余談埼玉県の大学生F君から、1967年製の祖父の形見のセイコー5 (Cal5126 23石)の修理依頼を受けましたが、これもとても良い機械で修理の結果、精度が完全に復元しました。一世を風靡したセイコー5アクタスCal7019よりも上をいく機械と思います。皆さんの家の中にはまだまだ埋もれている良い機械式腕時計がいっぱいあるのではないでしょうか。暇なときに一度、家捜しされてみては如何でしょうか。以外にも貴重な時計が出てくるかもしれませんよ。 第85話(スイス時計ブレゲについて) 創業は1775年、フランス・パリにてアブラアン・ルイ・ブレゲによって始まりました。時計史上に残る大天才アブラアン・ルイ・ブレゲの名を冠した腕時計は、機械式時計ファンにとって永遠の憧れのステイタス・ブランドではないでしょうか。どれもが個性的で高価な超複雑時計であるために、年間生産本数は8000本前後という少なさです。長い間沈黙しておりましたが、パリの有名宝石店ショーメと著名時計技術者ダニエル・ロートが結びつくことにより、1970年ジュウ渓谷ラベイの工房にて見事に復活致しました。ブレゲ腕時計の特徴と言えば、ブルースティールの独特のブレゲ針・ギロッシュ文字盤・ケースサイドのコインエッジ等がつとに有名です。最近、スウォッチ・グループに入り今後の動向に目が離せない存在です。一部ムーブメントを複雑専門エボーシュメーカー・フレデリックピゲから供給を受けて おります。と言うことは、もう一方の老舗の雄ブランパンの奇跡的な復活と似ているかもしれません。ブレゲ一族は余り知られていないのですが、航空機業界にも大きな足跡を残しており、フランスの航空機メーカー、ダッソーブレゲ社に引き継がれております(1907年、初の有人ヘリコプターの離陸に成功・1909年にはブレゲ型飛行機の製作等)。ブレゲの発明に関しては時計の小話第37話に詳しく書いておりますのでお読み下さい。主なブレゲ時計には下記のような代表的な品があります。・トゥールビヨン・クロノグラフ手巻き腕時計(プラチナケース)1550万円・トノーカンブレ・クロノグラフ自動巻腕時計(18KYGケース・Cal550)330万円・タイプXXトランスアトランティック・スティール自動巻腕時計(フライバック機能付き)85万円・ミニッツリピーター(中世に於いては電気照明が無かった為に、暗闇の中で音で時刻を知ることが出来る時計が必要とされた)・裏スケルトン腕時計2200万円・イクエーション腕時計(パーペチュアルカレンダーと平均太陽時との均時差を表示する機能)1350万円 ・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーター・レトログレード・ジャンピングアワー250周年記念モデル腕時計云千万円? 7代目エマニュエル・ブレゲは、生誕250周年を記念して大作400ページの「ブレゲ」を刊行しました。彼の優しい眼差しは、初代ブレゲの面影にそっくりなので吃驚してしまいます。やはり紛れもない血筋なのですね。 第85話(ロレックスの修理について) 先月、私の恩師K先生(前日本時計師会幹事・CMW)のお店を訪ねて技術指導を受けながら、いろいろとお話をしてきました。その中で非常に気になることがありましたので、ここにお知らせしたいと思います。昨年までロレックスを自前で完全修理の出来ない時計店(ほとんどの時計店はそうですが)は、預かったロレックスをROLEXサービスセンターに修理依頼をしておりました。ROLEXサービスセンターに出しますと1割の受付手数料金をもらえました。例を挙げますと、お客様渡しOH代金40000円としますと、時計店には9割の36000円でROLEXサービスセンターから仕上がってきたわけです(時計店は4000円のリベートが入った訳です)。それが昨年末よりその制度が撤廃され、時計店の1割のマージンでさえも無くなってしまったのです。ロレックスの修理を預かっても、うま味が全くなくなってしまった時計店は、安く請け負う市中の仲間修理屋にロレックス修理を依頼するようになったのです。一部の仲間修理屋の中には、超音波時計洗浄機も歩度測定器もないというお粗末さで、いい加減な手抜き作業をしているということなのらしいのです。全て分解しないで脱進機のみを洗浄して仕上げているらしいのです。その事を聞いてビックリしました。修理料金の安さにつられてそういう雑な仕事をする仲間修理屋に修理依頼する時計店も時計店なら、ユーザーの方も修理料金の安さばかりに目を捕らわれて、自分の大事にしている ロレックスの機械を滅茶苦茶にされてしまう可能性がある店には、よくよく吟味して絶対出すべきではないのです。今までROLEXサービスセンターに出していた時計屋が、利益の出る仲間修理屋に修理を出すようになってしまったために、ROLEXサービスセンターに来る修理がめっきり少なくなり、今では1ヶ月待ちで仕上がると言うことらしいのです。それまでROLEXサービスセンターでは大変混んでいて、3〜4ヶ月の修理預かり期間だったのです。このことを考えてみますと、少しROLEXサービスセンターの判断は軽率で横着だったような気がします。やはり少しの手数料を、修理を受け付ける窓口の時計店に支払うべきだったのです。のちのちこの修理代金システム(受付窓口の時計店マージン0円)は大きな問題になる可能性があります。インターネットでいろんな時計店を検索してみますと、ROLEXオートマのOHを15000円〜20000円でする店に遭遇しますが、ユーザーの方は修理値段ばかりに捕らわれることなく、充分いろんな点を比較考慮すべきではないでしょうか。安いにこしたことはないのですが、中身の修理作業が手抜きすることなく完璧になされている店かどうか、その店の姿勢を判断すべきだと思います。孫の代まで60年以上の使用に耐えられるROLEXの修理は、しっかりした店かROLEXサービスセンターでして欲しいものです。 |
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