マイスター公認高級時計師(CMW)がいる高度な技術のお店
イソザキ時計宝石店 トップページ 当店の紹介 お支払方法 お問い合わせ サイトマップ
当店の紹介
・初めての方へ
・当店の歩き方
・店主紹介(地図あります)
・特定商取引に関する表記義務事項
・プライバシーポリシー
・CMWとは
・時計の小話
・HP担当者
・BLOG

お客様の声
・修理のご感想
・商品のご感想
・メルマガのご感想

腕時計修理
・修理実績
・修理料金表
・修理依頼
・修理設備
・修理工具

・今週のサービス品

腕時計
・アエロウォッチ
・アクアノウティック
・アルピナ
・IWC
・ウェンガー
・エポス
・オメガ
・オリス
・カルティエ
・ジャッケエトアール
・セクター
・ゼニス
・ゼノウォッチ
・ダボサ
・ティソ
・ノモス
・パネライ
・ハミルトン
・ハンハルト
・フォルティス
・フレデリックコンスタント
・ペルレ
・ボーグリ
・マーティンブラウン
・ミューレグラスヒュッテ
・モバード
・ユニバーサル
・ユンハンス
・ラコ
・ラドー
・ルイエラール
・レビュートーメン
・ロレックス
・チュードル
・ロンジン



クォーツ
・カルバンクライン
・キャサリンハムネット(レディス)
・キャサリンハムネット(メンズ)
・ロベルタディカメリーノ
・マリクレール
・トラサルディ
・ニコル
・アンタイトル

時計グッズ
・ワインディングマシーン
・コレクションボックス
・時計革バンド別作
・新品文字板交換

腕時計関連
・機械式時計のご使用方法と注意点

・Q&A
・脱進機構造
・昭和の時計広告
・時計技術通信講座
・時計技術叢書
・有名人着用時計

掛時計
・ミュージアムクロック
・からくり掛け時計
・電波掛時計
・オフィス用掛時計
・鳩時計
・ウォールクロック
・ホールクロック
・となりのトトロ
・ピーターラビット
・ハローキティ

ジュエリー
・宝石/喜平/印台
・ゲルマニウム
・メガネ

リンク
・時計関連リンク
・白山市関連情報
・石川県観光案内
国際時計通信『水晶腕時計の興亡』
時計の小話
続・時計の小話
 

●続・時計の小話 第81話(ハイビートについて)●

1945年の太平洋戦争後、生産を再開した国産の腕時計の振動数と言えば、5振動(ロービート)からスタートし、その後、5.5振動や、6振動へと移行してきました。ハイビートと言えば、現在、8振動以上のムーブメントを指すのが一般的です。

ロービートから何故にハイビートへ移行したかと言えば、一番大きな理由にハイビートの方が、携帯した場合、振動数が多いために外乱要素の衝撃等の影 響を受けにくく、携帯精度が優れているからです。5振動の場合、ゼンマイトルクがハイビートよりも弱い為に、耐久性の面で摩耗しにくいという優れた点があ りますが、静的精度では、十分な精度が出ても携帯精度では、ハイビートよりも劣るというマイナス面があります。

また、ロービートの場合、テンプの振り角が落ちた場合、短弧と長弧の姿勢差誤差が大きく出やすいという、デメリットもあります。そういう観点から戦後の時計メーカーは、内外問わず、ロービートからハイビートへ移行するのは必然的な成り行きだったのでしょう。

1965年に、ジラール・ペルゴ社が世界に先駆けて10振動のクロノメーター規格に合格した腕時計を発売した時、大きなセンセーショナルを世界中に 喚起させました。余りにもジラール・ペルゴー社の精度が予想よりも優れていた為に、諏訪精工舎も負けずに1967年、Cal.5740のロードマーベルを 発売しました。

同じ年に第二精工舎が、Cal.1944の10振動の婦人用手巻き腕時計を発売しました。1968年には、諏訪精工舎が、Cal.6146の10振 動の紳士用のGS自動巻腕時計を開発し、同じ年に第二精工舎が、名機のCal.45の10振動の紳士用GS,KS手巻き腕時計を開発しました。

スイスでは、ジラール・ペルゴ社以降、1967年にロンジン社が工場創設100周年記念、生産総数1500万本達成記念として、36,000振動の 『ウルトラクロン』を発売しました。この名機とも言える『ウルトラクロン』は弊店にも時折修理依頼がやって来ます。1969年には、モバードとゼニスが共 同開発した、10振動のエル・プリメロ・クロノグラフ・ムーブメントを開発しました。

その後市販されているハイビートの頂点にいるのは、2006年にセイコー・インスツルが毎時43,200振動のムーブメントを開発したのが、最高の ハイビート・ムーブメントであります。(過去の1960年代のニューシャテル天文台コンクールでは、セイコー社が、Cal.052 毎時72,000振動 のムーブメントを開発してメカ式で最高得点を獲得して、精度の面では、スイス時計メーカーを凌駕した時期もありました。)

5振動の腕時計を、ゆっくり走る蒸気機関車に喩えるならば、10振動の腕時計は、新幹線の『のぞみ』や『ひかり』に喩える事が出来ると思います。現行のハイビートの主流を成している、8振動は、特急列車に喩えられるかもしれません。

定年後の人生をマイペースでゆっくりと歩みたいと願っている人、アンティークを嗜好する人、アイデンティティを標榜する人にはロービートの腕時計が 似合うでしょうし、多忙を極めるエリートビジネスマンの人や、精度の面で揺るがない高精度を要求する人にはハイビートが似合っているかもしれません。

いづれにしても、総合評価で言うなれば、携帯精度や、耐久性を考慮して8振動のムーブメントがベストではないか?と小生は思っております。エタCal,2892やロレックスCal,3135等の現代を代表するムーブメントも8振動を採用しています。

●続・時計の小話 第82話(またまた嬉しい知らせ)●

平成19年度の、1級及び2級の時計修理技能検定の学科・実技試験が今年1月に全国15会場で行われました。小売時計店の時計技術習得意識が高まる中、毎年受験者総数は増えていく傾向にあり、今年は全国で対前年15%アップの825人の人が、受験をされました。

全国15都道府県(北海道、岩手、千葉、長野、神奈川、栃木、東京、新潟、静岡、岐阜、愛知、滋賀、大阪、高知、福岡)で開催されました。

どちらか、というと東日本の地域の人の方が受験に熱心で多かったのではないか?と思われます。特に東京では、受験者数が、419人に上り過半数を占める勢いでした。西日本の時計職人を目指す方には奮起を催したいです。

合格発表は3月18日に発表されました。

弊店の2006年の時計技術通信講座修了生の神奈川県のN君から嬉しい知らせを受けました。N君は、昨年末、2級時計修理技能試験を受験する旨の連 絡を受けていましたので、2年計画で合格するよう焦らずにガンバレとエールを送っていましたが、一発で合格した事を聞き、嬉しいと共に、良くやったと、褒 めて上げたい気持ちで一杯です。

2級時計修理技術試験の作業内容は、アナログ式水晶腕時計『振動数32768Hz,中3針・デイデイト付き』の分解・巻真部品交換・洗浄・組立・注 油・調整・リューズ操作及び測定を行い、指示要求精度及び、要求事項の範囲内に収めるという内容で、与えられた試験時間は4時間というものでした。

弊店の時計技術通信講座修了生は、述べ28人に上りますが、静岡県のK君と共に神奈川県のN君も、器用な才能・能力に恵まれた青年なので、さらに今 後研鑽を積んで上を目指していただきたいと願っています。(異業種に勤めながらのK君、N君の資格試験合格は素晴らしい一言に尽きます)

日本に、時計学校と言える教育機関が3校ありますが、いづれも授業料も高く、入学するのは大変な負担が本人と親にかかります。やる気があり燃える熱 意があれば、K君やN君の様に時計学校に入学しなくても時計技術の資格を獲得出来る、という事を時計学校に、色んなハンデで入学出来なかった青年諸君に 知ってもらいたいと思います。

小生も若いとき、村木時計技術通信講座を受け、資格試験に合格した経緯があります。

(ちなみに、1級時計修理技能試験の作業内容を掲載しておきます。アナログ式水晶腕時計『振動数32768Hz 時3針、クロノグラフ3針・日カレ ンダー付き』の分解・巻き真部品交換・洗浄・組立・注油・調整・ボタン操作・リューズ操作及び測定を行い、指示要求精度及び、要求事項の範囲内に収めると いうものでした。作業時間は4時間30分というものです。)

未だに試験教材にメカ式ムーブメントが採用されていないことは、技能検定委員の現状認識が逸脱していると言わざるを得ません。

●続・時計の小話 第83話(蒔絵腕時計)●

石川県加賀市の山中漆器の蒔絵師・山崎夢舟さんがスイスの独立時計師ピーター・スピーク・マリン氏と組んで共同で、一風変わった特徴のある高級機械式腕時計を製作されています。

昨年のスイスバーゼルフェアで文字板に『鳳凰』をデザインした蒔絵腕時計を出品されました。

その後、『龍』『虎』等のデザインの蒔絵腕時計を、何と1000万円という超高額で販売されているにも関わらず、製作段階の途中で予約が入って既に完売されたそうです。現在は4作目の『唐獅子』を製作されているそうです。

文字板直径3.5cmの中に1mm以下の金粉・銀粉、光沢のある貝殻等を貼り付けるのに双眼顕微鏡を駆使して一枚の文字板を作るのに、大凡3ヶ月という時間がかかる細かい作業の連続だそうです。過度の緊張を強いるために1日の作業時間は2時間が限界だそうです。

地方新聞紙で、その文字板の図柄を見ましたが、龍の絵などは京都・相国寺の天井に描かれている龍(蟠龍図)を、彷彿とさせる様な活き活きとして絵に なっていて、中世の美術品が復活したとも言える図柄の蒔絵と現代のスイス時計職人の仕上げたメカ式ムーブメントとが合体した労作と言えます。

唯一無二の腕時計を所有したいというブルジョアの時計蒐集家にとっては、喉から手が出るほど欲しい時計だと思います。

ここ15年のメカ式腕時計の華々しい復活により、個性的な腕時計が大変よく売れていくのに啓発されたかどうかは解りませんが、石川県の地場名産品・九谷焼を文字板に使用した、高級クォーツ腕時計が、加賀九谷・陶磁器共同組合から100個限定で4/10より発売されました。

同組合登録の工芸作家35人が手書きで絵付けされたそうで労力がかかっているために高価にならざるを得ないようです。こちらの方も小売価格は10万〜25万円する高価なクォーツ腕時計でしたが、発売当初から注文が殺到して、半分以上は即予約済みになったそうです。

文字板の図柄は花鳥風月や、日本古来の歴史的な模様をアレンジしたものになっていて、こちらも存在力のある力強いクォーツ腕時計に仕上がっています。関心のある方は、石川県九谷焼美術館に問い合わせされてみたら如何かと思います。

また、石川県輪島市は高級な『輪島漆器』で有名な町ですが、ここでは腕時計の『漆文字盤』を製作しておられる漆工棟梁の北村辰夫さんがおられます。消滅した『杣田技法』を復活させて見るも鮮やかな文字板を作ろうとしておられます。

その見事さはスイス・伝統技法クロワゾネを超越するのではないかと期待されています。
それにしても石川県には伝統工芸品に秀でた県と言えるのではないでしょうか。

これも4代藩主前田綱紀が加賀藩に工芸品を奨励したお陰ではないかと思います。それにしてもいろんなアイデアが石川県人に浮かんでくるのも世界中で腕時計が人々の話題にのぼって人気になっているからでしょう。

●続・時計の小話 第84話(ロンジン腕時計の人気)●

先日、スウォッチグループ・ジャパン(株)のロンジン事業部・部長S氏が弊店に2ヶ月ぶりに来店頂きました。共に、楽しく食事をしながら今年のスイス・バーゼルフェアの様子や、ロンジンの新作等のニュースを頂戴しました。

今年のスイス・バーゼルフェアは、昨年より寒気団の影響で天候も悪く、寒く荒れていた為か入場者数が少なかったそうです。また、日本からの時計店の方達の来場も昨年度よりかなり少なかったと、聞きました。その一方で中国のバイヤーの姿がやたら沢山見受けられたそうです。

S氏と、お話をしている中で特に驚かされた事がありました。

それは今年の年末にロンジンから新作が発売される、LONGINES マスターコレクション レトログラードの世界からの受注件数の多さでした。

弊店は、東京で2月に行われた スォッチグループジャパンの展示会に参加して、ロンジン・マスターコレクション・レトログラードを各1本づつ計4本を予約注文してきました。

S氏によると、スイスに出かける前に日本のロンジン特約時計店より、80本のマスターコレクション・レトログラードを予約受注を受けてスイス・バー ゼルフェアに乗り込んだそうです。バーゼルフェアのロンジン・ブースには、各国のエージェントのロンジン注文件数がボードに刻時、記載されていたそうで す。

日本はマスターコレクション・レトログラードの受注件数80、と載っており世界で7,8番目位だったそうです。一位は中国で、なんと1000本以上の予約発注をしていたそうです。

その中国と日本の数の差に驚いたS氏と、上司のA氏は、日本のロンジン事業部が、営業力がなく大したことは無いと思われるのが残念で堪らず、慌てて バーゼルフェアに来ている日本の卸商等のバイヤーの方に果敢に営業活動をして、なんとか600本以上のマスターコレクション・レトログラードの受注件数を 獲得したそうです。そのお二人の営業努力は大変なものであったろうと容易に推察出来ます。

ところが、バーゼルフェアの終わり頃になると、中国のロンジン・マスターコレクション・レトログラードの受注件数は、5000本を軽く越していたそうです。

余りにも数が多い事にS氏と、上司のA氏は唖然として中国経済力の怒濤の勢いを知らされたそうです。それにしても、毎年二桁の経済成長を誇る中国の爆発的な購買力には、開いた口が塞がらないと言っても過言では無いと言えます。

昨年のロンジン社がLONGINES SPORTを多種多様に渡って新作を発表して、世界中から熱い視線を受け、日が昇る勢いで拡張路線を突っ走っている事を如実に証明した結果なのかもしれません。

弊店も今年度末にマスターコレクション・レトログラードが4本入荷してくるのを楽しみに待っている状態ですが、その話を聞くにつれ、恐らくなかなか入荷してこないのではないか?と不安を覚えたりしております。

ロンジンの新作腕時計がここまで、世界中の時計愛好家の人達から熱い支持を得ているのに心底驚かされました。先行販売されている、ロンジン・レジェ ンド ダイバーも現在、大人気でなかなか入荷してこない状況を思うにつれ、今後ロンジン新作腕時計はどれもが、入手しにくい時計になっていくのではないか、と思 い大変嬉しく思う反面、少しは人気が沈静化して欲しい、と願ったりしています。

S氏と対談している中で、今後スイス時計会社は、中国富裕層の国民の消費動向を良く見ながら生産せざるを得ないのではないか、という点で一致しまし た。営業上手なスイス時計関連の人々は、中国人の趣味、嗜好を十分調査して、中国人好みの機械式腕時計をこれから生産していくのではないか、と思われま す。

先日、テレビを見ておりましたら、中国の富裕層の人々がツアーを組んで東京・銀座にショッピングツアーに大挙来ている事を報道していました。中には、1000万単位のトゥールビヨン等の複雑腕時計をカードで買い求めている青年実業家の姿が映っておりました。

その男性曰く、『中国では、コピーを掴まされる不安があるけれども、東京銀座の有名店ではその心配が全く無いので安心だ』と語っていましたし、有名店の時計店の店主も、超高額腕時計は、2個に1個は中国の方が買っていかれると、ホクホク顔で語っておられました。

銀聯(ぎんれん)カードを使って中国の人々が東京銀座で1000万単位の買い物をする姿を見るにつけ、2〜30年前に日本人の金持ち連中が香港にショッピングツアーで大勢押し掛けた事を思い出すと、時代の流れの転換を思い知らされます。

●続・時計の小話 第85話(フォルティスの新作)●

フォルティスの2008年スイス・バーゼルフェアの新作
FORTIS ART ver.IQ WATCH アートモデル・IQ ウォッチ限定:596.18.61IQ
が先日弊店に入荷してきました。

この時計は、正規輸入元(株)ホッタのS氏より4月15日に弊店来店の時に、パンフレットで紹介を受けました。その時の印象は、かってない独創的な デザインの文字板で、仕入れ発注するのに小生は多少躊躇していましたが、二人の子供に聞きました所、若い人の感覚で言うと、非常に面白い腕時計に仕上がっ ている、と言いましたので、仕入れする事に決めました。

先日、この時計が送られてきて、手に取って見てみますと、なかなかこの様な発想は出来ない珍しい時計でした。すぐに買い手がつくのではないか?と思 いましたが、ホームページに紹介しました所、案の定その日のうちに2本の注文を受けました。日本限定100本という事なので、興味を持った人がいち早く発 注されたものと、思います。

一昨年末に発売された『FORTIS フリーガー プロッフェショナル BLACK OUT(ブラックアウト)595.18.41MBO』もわずか、一ヶ月で完売終了しましたのでその時の、人気の再来が起こるような予感があります。

FORTIS ART ver.IQ WATCH アートモデル・IQ ウォッチはダダイズムの精神を受け継ぐ、ロルフ・ザックス(Rolf Sachs :スイス・ローザンヌで生を受けロンドン大学LSE校で数学を学び、アメリカ・メンロー経営大学で経営管理の理学士号を取得しました。インテリアやオブ ジェ等の制作で世界的に著名なデザイナーです。)が文字板を黒板に見立てデザインした、チョークで描いた様なラフなインデックスがユニークなIQモデルで す。

チョークを消した後も少し残っていてなかなか面白い仕上げになっています。世界限定999本モデルで国内の入荷本数は100本となり、ケースはブ ラックPVD仕様、黒板に見立てた文字板は勿論ダークグリーン、インデックスは白、時分針にはスーパルミノバ夜光が塗布、ケースバックにはシリアルが刻印 されています。

基礎的計算等で時を示す、遊び心あるデザインですが、ダークグリーンにホワイトのコントラストや、誰もが懐かしさを覚える"黒板"をモチーフにしているせいなのか、落ち着きさも感じる不思議な印象を与えます。

IQ(Intelligence Quotient)と言えば知能指数の事ですが、小生には、非常に強烈な思い出があります。 長浜市に住んでいた頃、近所の靴屋の息子でX君がいました。彼とは小中高と、同じ学校で学びました。彼と小学校の時、日本三大山車祭りのひとつの長浜曳山まつりに二回程一緒に同じ舞台に立ちました。

その頃は、今と違って曳き山で90分程歌舞伎を演じましたので、子供役者は膨大な台詞を覚えなければなりませんでした。特に、X君は女形を演じてい ましたので、覚える量も男役(立役)と違って倍程の量がありました。X君は、振り付け師から台本を貰っても、三日ぐらいですぐに覚えてしまいました。他の 役を振り当てられた子供(小生を含めて)は、台詞を記憶するのに一週間はかかりました。

一週間も台詞の稽古をしていますと、X君は他の役の子供の台詞も全て覚える程の才能を持っていました。子供心に彼の頭の中はどうなってるのか?と不思議でたまりませんでした。

中学校に入ると二年の時、同級生になり、彼はサボテン集めに熱中していて、彼の家に遊びに行くうちに私も感化され、サボテン集めに熱中しだしまし た。忘れもしない事ですが、中学二年の時の数学の授業の時、誰もが解けない様な難しい問題をS先生が黒板に出しますと、先ず秀才のS君に解いてみろ、と言 われました。

S君がどうしても解けなかった時は、最後にはX君をS先生は指名されました。X君は、難しい数学の問題を事も無げに簡単にスラスラと黒板に正解の答 えを書いて皆を驚かさせるのが常でした。その様な事が何回もあった後、数学のS先生はX君に、授業中はこの本を読んでいろと、ある本を与えました。

休憩時間にS君と小生がその本を見てみると、なんと大学の数学の本でした。小生にはチンプンカンプンの内容でした。私達とは頭の中の構造が全く違うのである、その時思い知りました。

X君とS君と、小生は、中学三年の時に、クラス替えがあり別々のクラスに分かれましたがその時、各クラスに移動する時に資料を担任の先生から渡され ました。その時、3人で先生には内緒で資料を見せ合いっこしました。今でも忘れもしない事ですが、X君の知能指数は160、S君の知能指数は140と書か れていました。

小学時代から、X君の頭脳明晰ぶりに驚かされていた私は、図書館に行って知能指数の事を調べてみました。知能指数140は秀才と書かれていました し、知能指数160は天才と書かれていました。(その本には、人類最高知能指数を持った人間はあくまで推測で、ゲーテIQ200、シェークスピア IQ180と書かれていました。)

知能指数は160は100万人分の1の極めて少ない誕生率と、書かれていましたので、当然の事の様に納得した訳です。

X君もS君も小生と同じ湖北のT高校に行きましたが、小生は3年間タッチフットボールに熱中し、近畿大会ではいつも上位で全国大会では、ベスト8になるほどの強豪でしたので、勉強の方が当然疎かになり、学業成績は下降線を辿る一方でした。

S君は、真面目な人でしたので大阪府のO大学に現役で合格しました。X君は私と一緒で、高校三年間アーチェリー部に所属して一生懸命夜遅くまでクラブ活動に頑張っていましたので、勉強はする時間はほとんど無かったのに、学業成績はいつも学年で10番前後にいました。

小生の母校の湖北のT高校はトップ5までは東大・京大に現役合格できるレベルなのですがX君は10番前後でしたので、友達は皆合格するのを訝しがっていましたが、小生は小学・中学時代の事がありましたので、X君は京大現役合格すると確信していました。

当然の如く、彼は難関の京都大学・法学部に現役合格しました。その後、X君は一流銀行に入社して、活躍されたと、聞いています。

ロルフ・ザックスもおそらく人並み外れた高知能指数の持ち主と思います。

●続・時計の小話 第86話(ネジの弛み)●

先日、スイス高級手巻き腕時計の修理依頼を受けました。故障個所は、時刻(針)合わせは出来るけれども、ゼンマイが一切巻けないという故障でした。分解する前に、故障の原因は、大凡予想がついていました。

恐らくカンヌキバネが折れて、カンヌキがオシドリと連動しない場合や、巻き真が中途で折れている場合、オシドリの巻き真の溝に入るピンが摩耗・損耗して効かない場合や、オシドリ・ピンが折れている場合、等が直ぐに思いつきました。

文字板を外して、日ノ裏機構を見てみますと、カンヌキがキチ車とツツミ車の間に挟まって、カンヌキが動かない状態になっていました。

原因は、日ノ裏押さえのカンヌキに近い方のネジが半回転ばかり弛んでいた為に、カンヌキが上方向に動きだし、外れた為の故障だと解りました。僅かネジが少しゆるんだだけで、時計としての機能を果たさないという事に驚かされます。

薄型腕時計のネジを締める場合、時計職人やメーカーの時計組立工は、細心の注意を払っています。
強くネジを締めすぎると、ネジ頭がいとも簡単に折れてしまう場合もあり、少し手加減をすると、上記の様な故障の原因にもなります。

精密機械の技術者は、絶えず細心の注意を払わなければならない状況下にいて、いつも神経が磨り減る過酷な仕事だと痛感せざるを得ませんでした。

日ノ裏押さえネジの、締め具合だけに止まらず、腕時計の数多くのネジを締める場合には、いつも細心の注意が必要です。ムーブメントとケースを動かな い様に一体化させる側止めネジもよく頻繁に抜け落ち、そのネジがムーブメント内に入り込んで止まる、という原因を作る場合が往々にしてあります。

最近のグランドセイコーの側止めネジには、固着材が塗ってあり、酷い振動でもネジが簡単に弛まない様に仕様しています。ロレックスの腕時計は、ネジ が弛めば弛むほどケースと固く一体化する様に工夫している為に、ネジが抜け落ちる事は100%無い設計をされていて、なるほどと感心させられます。

自動巻ローターのネジも弛んで自動巻きが効かないという簡単な故障もあります。現行GSのローター留めはとてもしっかり設計されていて外すにもかなりの力が必要なくらい強く締められています。(メーカーの女性組立技術者にとっては大変な作業と思われます)

R社の角穴車止めネジは、とてもネジ頭が薄く設計されている為に、少しでも強くネジを締めるとネジが折れて破損する場合があり、その点をいつも注意 しながら、仕事をしています。ロレックス社のネジは、他社時計メーカーのネジよりもしっかり強度を持って作られている為に、ネジが折れ込む、というケース はあまり経験がありません。ひとつのネジにも、ロレックス社の会社の完璧主義の良心的な意向が 垣間見られる思いです。

●続・時計の小話 第87話(新作IWCインヂュニアのOH)●

2005年に見事に復活を為しえた、IWCの人気シリーズ『インヂュニア・オートマチック』の修理依頼を受け、先日修理が完了しました。

IWCファンから根強い人気のある、インヂュニア(技術者)は1954年に登場以来、超耐磁性を持った腕時計として、衆目を集めてきました。

ファーストモデルの、インヂュニア(Cal.852、8521(カレンダー日付付き))は、ペラトン巻き上げ機構を装備した、効率の良い自動巻で、 ムーブメントも当時のロレックス社のムーブメントと比較しても優るとも劣らない、非常に精度の出る最高峰の腕時計でした。勿論、ヒゲゼンマイはロレックス と同様にブレゲヒゲを採用していました。

今回、50年目に自社製作のムーブメントを搭載した、インヂュニアをオーバーホールするにあたり、以前よりIWCファンであった小生は、胸を時めか せてワクワクしながら、作業に入りました。今回復活した、インヂュニアもペラトンシステムの両方向巻き上げシステムを踏襲しており、旧キャリバー8521 よりも、自動巻き上げ機構は改良されている、という認識を新たにしました。

ヒゲゼンマイは平ヒゲで、IWCの伝統らしく、ヒゲゼンマイの外端曲線が完璧な程に形成されていて、ヒゲ棒アガキも僅かな一条の光が入る程度の繊細な狭量でした。

カレンダー瞬間早送り機構も僅かな部品数4個のみで作られていて、これほどまでに部品数を抑え簡略化された瞬間早送り機構を見たのは初めてで、 IWCの設計技術者の頭脳の明晰さが、良く解りました。(現行グランドセイコー・メカ式も以前のGSのようにカレンダー瞬間早送り機構に改良変更すべきだ と痛感しました。現行GSはパーツ数が多すぎるのが欠点と言えなくはないでしょうか?)

時計専門誌等で、復活インヂュニアのCal.80110は、『完全自社製ムーブメント』と聞き及んでおりましたので、自動巻機構以外の、手巻き駆 動、輪列部分がどの様な設計されたムーブメントか期待しておりましたが、分解して解った事ですが、ETA7750クロノグラフムーブメントの手巻き輪列・ 地板部分を基礎利用し改良して採用している事に少々驚かされました。雑誌に紹介されていたような完璧なまでの自社製ムーブメントとは言えないのかも知れま せん。

インヂュニアCal.80110にETA7750クロノグラフムーブメントを一部採用していることはETA.Cal.7750が非常に優れたムーブメントである証明でしょう。

人気のある、マーク15等もETA社製Cal.2892A2を採用しており、今回の新作インヂュニアCal.80110も、基礎ムーブメントの部分をETA7750のムーブメントを改良して使用している事に、ETA社とIWC社の密接な関係を知る事が出来ました。

IWC社に限らず、ほとんどのスイスの時計メーカーは、ETA社から、多かれ少なかれ多大な影響を受けているのではないか?と今回のオーバーホール でつくづく思い知らされました。Cal.80110はIWCらしく、どっしりとした重厚的なムーブメントに仕上がっており、残念な面も少しありましたが、 IWCファンを裏切らないムーブメントで安心致しました。

●続・時計の小話 第88話(平常心と集中力)●

7/15、NHK夜の10時の
『プロフェッショナル・ライバルスペシャル〜二人の勝負師・光と影の攻防 将棋名人戦 森内俊之VS羽生善治』を大きな関心と興味を持って拝見しました。

プロ将棋界には、7つのビッグタイトルがあります。
『名人』『竜王』『王将』『王位』『棋聖』『棋王』『王座』があります。

天才棋士羽生善治氏は、今まで69回のタイトル保持し、『王将』『王位』『棋聖』『棋王』『王座』では5回以上のタイトルを保持した為に、現役引退後永世王将、永世王位、永世棋聖、永世棋王、永世王座を名乗る事が出来る名誉を既に勝ち得ていました。

名人位と、竜王位のみ、後、1期タイトルを勝ち取るだけで、永世名人、永世竜王を名乗る事が出来る所まで来ておられました。先日、森内俊之名人を4勝2敗で破り、晴れある第19世永世名人位を獲得されました。

羽生善治氏が、彗星の如く将棋界に颯爽と出現して、26才で前人未踏の7大タイトルを全て同時期に獲得した時には、50年に一人あらわれるかどうか?という大天才である、と世間を騒がせる程の活躍でしたし、永世名人位を直ぐに獲得されるのではないか?と思われていました。

この度の対局で、先を越されたライバル森内俊之前名人(第18永世名人)に対して、一矢を報われたものと思います。一流将棋棋士になりますと、対局中、数時間に渡り正座を崩さず読みふけるという、側に寄りがたい雰囲気を醸し出されます。

一手指すのに一時間〜二時間、大長考して指される場合色んな局面を想像して、1000手先、2000手先まで読まれるという凡人では計り知れない頭 脳を持っておられるのが、一流将棋棋士です。一時間〜二時間、読みふけるという事は、大変な集中力の結集と言わざるをえません。羽生善治氏の自書による と、スキンダイビングで海に深く潜っていく感覚と似ている、と言われます。

オメガ腕時計からジャックマイヨール・モデルが出ていますが、素潜りで100mを越す記録をうち立てた彼も、恐らく平常心で、無駄無く酸素を消費す る一定の呼吸法を集中して身につけた為に、大記録がうち立てられたものと思います。平常心と集中力が、合い携わっていなければ羽生善治氏の大記録も、 ジャックマイヨールの活躍も無かったものと思います。

そう言えば、歌舞伎界の大御所、坂東玉三郎氏も、スキンダイビングでストレスを発散し、平常心と舞台への集中力、体力を養っておられるものと思います。

時計修理も一個のOHを仕上げるのに4〜5時間座りっぱなしの状態が続きます。集中力、体力が無ければとても細かい作業の連続なので、耐えられませ ん。小生にも集中力が途絶えて、雑念が入った場合、小さなネジを摘み損ねたり、バネを飛ばしたりする失敗が往々にしてあります。

小さい時から、男兄弟4人で将棋遊びをしてきた為に多少なり今の職業にプラスに影響しているのかもしれません。将棋・囲碁が若い人達の間で一時の勢 いが無くなった今、集中力、平常心を養う意味で、小さな、お子達に将棋を教え込むという事は、大事な事なのかもしれませんし、日本の文化継承という、意味 合いからも大いなる一手かもしれません。

●続・時計の小話 第89話(熾烈なパイの奪い合い)●

ロンジンをお買上げ下さった方より、今秋発売される世界限定500本、『ロンジン・レジェンドマリーナ復刻版、自動巻クロノSS』税込み定価\309,750の、問い合わせが最近頻繁に来るようになりました。

先日、ロンジン事業部のS部長が弊店に来店されましたので、ロンジン・レジェンドマリーナが、日本にまた弊店にいつ頃入荷してくるのか?と尋ねてみ ました。従来なら、世界限定500本ですと、日本割り当て本数は、最低でも100本は入ってくるのが普通ですが、今回のレジェンドマリーナの場合、日本に は、数本しか入荷してこないそうで、それも既に予約完了済みとの事でした。

その数本全ては、大手百貨店の時計売場に納入するとの事で、弊店には1本も入荷して来ないらしいので残念な思いが致しました。今、人気が出ているロ ンジン・レジェンドダイバーを購入された方の評価・満足感も高く、あの価格で、すこぶる質感も良く、大好評でしたので、レジェンドマリーナを再度購入した い、という人が増えつつあるのも事実で、その方々へご希望どうり納品出来ないのが、残念です。

このロンジン・レジェンドマリーナは、1938年度の復刻版で、裏蓋をハンター式にして、内側に初期のロンジンのロゴが刻印されている、というロン ジンファンにとっては願ってもない、仕上げになっています。ロンジン・レジェンドマリーナは、1938年にイタリア海洋地理研究所とイタリア海軍の海洋調 査にロンジン社が腕時計を企画提供したミッション・モデルです。イタリアと、関わりが非常に深い為に、S部長の話によりますと、世界限定500本の内、ほ とんど400本以上をイタリアのロンジン事業部に取られてしまったそうです。

世界の各国にあるスウォッチグループ現地法人との、人気腕時計の奪い合いは益々今後、激しくなっていくものと思われ、なかなか人気が出た腕時計は入手出来にくくなっていくのではないか?という懸念があります。

昨年、日本における、スイス時計輸入総金額は、一昨年よりもマイナスに転じたという今までの右肩上がりの輸入増加からは大きく舵が曲がったと言え、 今年度もいろんな時計輸入商社の営業マンからの話を統括してみると、再度マイナスに落ち込むのではないか?という話をよく聞きます。

日本では、スイス時計、と言えばR社、O社を代表しますが、両社の腕時計とも、日本では、販売に苦戦している伝え聞いております。他の50万円〜100万円以上の高級時計の、売れ行きも日本では苦戦していると昨秋から言われています。

機械式腕時計を愛好する時計ファンの方々の本当の価値を見極める力や、厳しい選択眼が養われて来たために、本来その価値が無いにも関わらず高ければ売れる、という価格設定をした、スイスブランドの高級時計は、かなりの苦境に追いやられていると、言えます。

その一方で、値打ちのある普及品(10万円)や、中級品(10万円〜20万円,小生にとっては充分な高級品と言えますが)のスイス腕時計は品薄状態が続いており、お客様から注文を受けても対応出来ない、という苦しいジレンマに立たされています。

特にスイス時計の中で、一番良心的な価格設定をしている、ハミルトン腕時計などはほとんど、どの機種も品切れ状況が続いており、お買い求めのお客様に十分な対応や期待に応じられないのが今の状況です。

中国や、ロシア及びブラジル等の経済成長が著しい国民の間でスイス腕時計の人気が爆発的な広がりになり、丁度10年前の日本の時計市場に機械式腕時計が完全に復活した人気が中国や、ロシア及びブラジル等で、怒濤のように起きているのが事実です。

今後、世界の国の輸入代理店どうしの時計の奪いあいが熾烈を極めていくでしょう。原油高で諸物価が値上がりしていく不況感が漂う今、スイス時計の普及品及び中級品を如何に確保していくかが、時計店にとって死活問題になっていくのではないか?と思われます。

●続・時計の小話 第90話(ダボサについて)●

先月、オリス、エポス等の日本正規代理店(株)ユーロパッションの営業マンH君が来店し、新規に取扱いを始めた 『DAVOSA(ダボサ)』 というスイス腕時計の見本を持って来ました。

弊店取扱いブランドも数多くなってきましたので、在庫を抱える負担も大きく、当初は参考程度に見るだけに留めて置きました。しかし、印象が大きく、何時になってもなかなか頭から離れなかったので先月末よりDAVOSAを一部取扱いを開始しました。

このDAVOSAというブランドは、小生40年近くこの業界に身を置いているにも関わらず、全く存在すら知りませんでした。営業マンから、聞いたと ころによりますと、100年以上の歴史がある時計メーカーでスイスではそこそこ知れ渡っている、時計ブランドだと、聞きました。

一番に驚かされたのは、価格設定が極めて低く押さえている事です。ハミルトンや、エポスに優るとも劣らない低価格設定になっています。それにも関わらずデザインも良く、造りも綺麗で質感もあり、なかなかの出来映えに仕上がっています。

今まで購入して頂いたお客様からも賛辞を頂いています。レギュレーターモデルやパワーリザーブ機能を搭載したモデルや、GMT機能を搭載したモデル 等々が10万円前後の価格に設定されています。ETA社製の信頼がおけるムーブメントを基調にして、この様に極めて良心的な低い価格設定にしている DAVOSA社の会社方針に頭が下がる思いがします。

それにしても、同じムーブメントを搭載した他のスイス有名高級腕時計メーカーが30万〜50万円以上の価格設定をして販売している事に驚かざるをえません。この価格差は大きく何に起因するものなのでしょうか。

以前にある有名な滋養強壮の飲み物が経済誌に価格の80%が宣伝費と、書かれていて驚愕した記憶があります。恐らく日本で高価格で販売しているスイス腕時計の価格は、宣伝費が占める割合が非常に高いのではないか?と推測せざるをえません。

DAVOSAの中で一番人気の時計は、 SIMPLEX AUTOMATIC 161.431.50でIWCマーク15を彷彿とさせる顔貌を持った時計にも関わらず、弊店販売価格はアンダー7万円を切る値段で今後品薄状態が続くものと思われます。

〒924-0862 石川県白山市(旧松任市)安田町17-1 イソザキ時計宝石店
電話(FAX):076−276−7479  メール:isozaki@40net.jp